HSP(ハイリーセンシティブパーソン)にとって、職業選びは人生を左右する重要な判断になります。
自分の向き不向きが分からいまま、その職業を始めてしまうと結果としてHSPの自分に向いていない仕事でそのあと苦しむことになる為、できるだけ多くの情報を事前に見て判断して欲しいと思います。
- HSP(Highly Sensitive Person)ハイリー・センシティブ・パーソンとは
- HSPに営業職を勧めない理由①刺激が強すぎるから
- HSPに営業職を勧めない理由②電話対応がある
- HSPに営業職を勧めない理由③臨機応変さが必要になる
- HSPに営業職を勧めない理由④過度に厳しくされる
- HSPに営業職を勧めない理由⑤体力勝負
- HSPに営業職を勧めない理由⑥社内競争がある
- HSPに営業職を勧めない理由⑦セールストーク
- HSPに営業職を勧めない理由⑧時間管理
- HSPに営業職を勧めない理由⑨休みの日も緊急対応がある
- HSPに営業職を勧めない理由⑩基本的に会う人が初対面
- HSPに営業職を勧めない理由⑪スーツを着ること
- HSPに営業職を勧めない理由⑫社内営業が必要
- HSPに営業職を勧めない理由⑬数字が全て
- HSPに営業職を勧めない理由⑭飲み会の席も多い
- HSPに営業職を勧めない理由⑮クレーム対応がある
- HSPに営業職が合うとしたら①成績さえよければ比較的自由
- HSPに営業職が合うとしたら②顧客の評価が高くなる場合も
- HSPに営業職が合うとしたら③感謝される
- HSPに営業職を勧めない理由(体験談付き)まとめ
HSP(Highly Sensitive Person)ハイリー・センシティブ・パーソンとは
HSPとは1996年アメリカの心理学者のエレイン・N・アーロンにより提唱されたHighly sensitive personの略で高い感覚処理感受性を有する人、または気質のことを指します。
HSPの特徴
- 一つのことを深く考えるのが好き
- 共感しやすい
- 感受性が豊か
- 人にやさしくできる
- 大きな音や光の刺激が苦手
- 人混みが苦手
- 気を読み過ぎて疲れる
- 近くで誰かが怒られていると自分が怒られている様な気分になる
- 忘れたい過去が繰り返し蘇る
- 他人に何か指摘されると中々そのことが頭から離れない
- 周りが自分をどう思っているか強く気になり不安になる
HSPとは上記の様な特徴がありますが、病院やクリニックへ行かれる際も「治療」を目的として治すものではありません。
診療やカウンセリングをお受けになる際も「HSPを治したいので薬を処方して欲しい」といったスタンスより薬物治療なしでHSP気質が改善する考え方やコツの習得を目指されたらと思います。
HSPに営業職を勧めない理由①刺激が強すぎるから
これはHSPにとって営業職に対する表現としてすべてに当てはまるのですが、刺激が強すぎるという点です。
HSPは人が刺激になります。相手が何もせずに隣にいるだけで気になり意識が向いてしまうのです。
又、朝の満員電車は男女問わず見知らぬ人達と密接になり時間を過ごすしかないなど、誰にとってもストレスにしかなりません。
また仕事が始まっても基本的に対応に追われ、外出してオフィス街に出れば騒音に溢れていてHSPにとって心が休まる場ではないと言っていいでしょう。
HSPに営業職を勧めない理由②電話対応がある
営業職になれば、外出すれば顧客との商談がありオフィスに戻れば書類作成や電話対応など心が休まる時はありません。
又、特にHSPは電話対応が苦手だとされています。
それは電話をしている最中に他の人が自分の会話聞いていて揚げ足を取られるのではないか、上手く喋れないことを馬鹿にされるのではないかという恐怖感によるものです。
HSPは他人に意識がいきがちなので、他人の目線が気になるんですね。
私も新卒で営業職に就いた時は何十人もいる空間で鳴った電話を取ることは心理的に非常にストレスでした。
初めてのオフィス勤務そして新卒であったということで、たくさんの先輩がその振る舞いについて指導してくれました。
電話での喋り方、名刺の渡し方、話し方などです。
人材派遣の会社ということでその立ち振る舞いについては非常に厳しく言われた思い出がありますね。
そしてクレームの電話など、なぜか電話では喚き散らすのに実際に謝罪に足を運ぶと落ち着いた口調になっている顧客など不思議な経験をたくさんしました(苦笑)
電話だと相手の顔が見えないので自分を強く見せてしまうのかもしれません。
言われた方はたまったものではありませんが・・・。
HSPに営業職を勧めない理由③臨機応変さが必要になる
営業職になると一つのことをコツコツする様な仕事内容ではないため、毎日臨機応変さを求められます。
メールを打っている最中に顧客から電話がかかってくればそれに対応して、途中上司から何か聞かれれば的確に回答する。
そんなマルチタスクな状況はHSPにとって当然向いては居ません。
HSPは職人気質と言うかどちらかというと一つのことに専念して行う時に能力を発揮して、感受性も高い為アートや芸術の分野で活躍されている方が多くいます。
残念ながら営業職にアートや芸術的要素は必要ありません。
どんな物事にも冷静に対応して、売り上げ(数字)を上げられれば誰も文句を言わない世界なのです。
HSPに営業職を勧めない理由④過度に厳しくされる
前述した通り、営業は売上が全てです。
私はこれまでいた会社で早々に月間の売り上げをあげて、定時前に余裕尺尺と変える営業マンやみんなの前で上司に叱責される営業マンとたくさん見てきました。
たしかに経営者や管理職から見ると明日の従業員の給料に関わる大事なことなので、売上目標に対して厳しく言われるのは当たり前なのかもしれません。
しかし、どれも度を越して人格否定する様な経営者もおり、HSP気質を持った私は自分が言われている様な気分になりとても辛かった思い出があります。
HSPに営業職を勧めない理由⑤体力勝負
営業は基本的に外回りがほとんどで、雨の日も、猛暑の日も、雪の日も外出しなげればなりません。
普段なら家に居たくなる様な時でも足を動かさないと仕事にならないので非常に体力的にハードな仕事です。
もちろん体力に自信があるHSPはいますし、若い時はそんなに苦にならないかもしれません。
しかし基本的にHSPは日常生活のいろんなところから刺激を拾ってきてしまう為、疲れやすいとされています。
そういった面で考えると営業職がHSPにとって最適とは言いずらいでしょう。
HSPに営業職を勧めない理由⑥社内競争がある
HSPは協調性は高いですが、他人との争いごとは極度に嫌います。
営業職は何よりも売り上げを上げることが何よりも上司の評価に繋がります。
どんなにアポイントが取れたり、客先の受けが良くても商品・サービスが購入されないと意味がないと言えます。
そういった中で社内でも営業同士の競争があり、それは日・週・月ベースで管理されて達成できないと厳しく言われてしまうのです。
私は当時マーケティング部に所属していましたが、まったく売り上げが上がらない営業員が社長から怒鳴られたり上司から「お前は売り上げがないんだから会社にとってマイナスでしかない」などど指導を受けているのを見て「絶対に私にはできない」と感じていました。
HSPに営業職を勧めない理由⑦セールストーク
HSPは基本的に正直で素直と称されることが多いです。
それは嘘をついてしまうと嘘をついている自分を責めてしまうから。
営業員が自分の商品を売り込む際に、必ずしも自分の本音に反した売り方をしなければならない時がありそれらがHSPの心を苦しめることがあります。
自分のセンスに応じで本心から素晴らしいと思っている物を売れるのであれば遣り甲斐を感じると思いますが、自分で制作した訳ではもない様なケースがほとんどだと思いますので難しい印象です。
HSPに営業職を勧めない理由⑧時間管理
HSPは「いつまでに行わないといけない」という状態がとても苦手です。
例えば〇月〇日にAさんと会うというだけでその日に向かってプレッシャーをどんどん自分で感じてしまい緊張してしまうのです。
本当に?と思うかもしれませんが、HSPの心はそれぐらい繊細だと捉えておいて間違いありません。
HSPに営業職を勧めない理由⑨休みの日も緊急対応がある
営業職はトラブルがあれば休みの日であろうと深夜であろうと対応しなければならない時があります。
電話がかかってきて取らなければ契約が取れなかったり、解約されてしまったり商機を逃してしまうからです。
実際私が人材派遣会社の営業をしていた時は土日にスタッフの方から連絡があり「悩みがある」と言われればその方の近所まで行って話を聞きに行っていました。
又、勤務時間が終わっても上司や同僚から「あの書類データどこだっけ?」「明日の商談なんだけど」と連絡がひっきりなしにかかってきて本当に疲弊した経験があります。
オンオフをしっかり付けて次の日へのエネルギーを溜めておきたいHSPにとって全く向いていない状況だと思います。
HSPに営業職を勧めない理由⑩基本的に会う人が初対面
営業をしていると初めにアポイント取りから行っていきます。
ルート営業の場合、いつも決まった担当者と会うだけなのでまだ良いのかもしれませんが飛び込みで新規営業をかけていくような仕事内容だと毎日初対面の連絡で、HSPにとってはそれは刺激になるので疲れ果てていきます。
又、飛び込みで会社へ訪問しても「今忙しいんだよ!」とか「機会あれば」とどうでもいい様な扱いをされ続けることで繊細なHSPは自己肯定感を下げていく印象です。
HSPに営業職を勧めない理由⑪スーツを着ること
日本の夏は年々暑くなっていて暑いというイメージがある東南アジア並みの熱帯気候になってきています。
そんな猛暑の中スーツや長袖を着て歩いているビジネスマンの方を見かけると本当に頭が下がる思いなのですが、実はHSPにとって着るものがストレスの要因になることがあります。
繊細なのは内面的な話ばかりだけでなく、着るものについてもその肌触りの具合についても気になってしまうものです。猛暑の中ビジネスマナーとはいえスーツを着なければならないとしても、あまり体調管理として合理的ではないスーツはHSPにとって不快な気持ちになりやすいかもしれません。
HSPに営業職を勧めない理由⑫社内営業が必要
私の経験として、営業成績がうまく上がらない営業員でもなぜかクビにならない人は社内営業が上手いなと感じました。
それは一番社内で影響力がある人のそばで提灯持ちをしていつも顔色をうかがうのです。
結果としてそういった人に気に入られて必要とされる時に動くの社内で必要な存在とされるのです。
そういったコミュニケーションはHSPにとって、本来やりたくないこともしなければならなくなるのでとても精神的な負担が大きくなります。
きっと他人に気を遣えるHSPは表面的にそういったことができるかもしれません、しかしそもそもそういうことをしなければいけない環境はおススメしません。
HSPに営業職を勧めない理由⑬数字が全て
営業はあなたがどんなに1カ月間頑張ったとしても最後のあなたが売り上げた営業成績で判断されます。
HSPの思考としてはその良心的な部分で、結果も大事だけど過程を重要視する様なところもあり、営業気質の方と相反するところがあります。
もしHSPのあなたが営業にチャレンジするのであれば何をもって評価されるのか事前に確認して就職すると良いでしょう。
HSPに営業職を勧めない理由⑭飲み会の席も多い
営業職は社内の飲み会でも盛り上げ役に任命されたり、客先とのコミュニケーションの為に飲み会の場に出ることが多いです。
盛り上がらないと上司や顧客から「お前面白くないな」とか痛烈な言葉が飛んでくることがあり、繊細なHSPにとっては落ち込んでしまうようなことになりかねません。
また飲み会を前にして「どこに座ろう」「どんな話をしよう」と事前に考え過ぎてしまう傾向があるHSPにとっては少し高いハードルの様に感じます。
HSPに営業職を勧めない理由⑮クレーム対応がある
営業は会社の顔として自社製品をセールスする訳ですが、お客様にそれを売ったからには何かあった時に一番先に問題を受け付けたり、怒りをぶつけられる窓口になります。
例えそれはあなたがした失敗でなくても激しく罵られる様なことがあり、その精神的ショックはきっと1日、2日で解消できるものではないでしょう。
私も営業をした時はお客様から電話がかかってくる度にドキドキしていましたし、やはり合っていなかったのだと感じます。
HSPに営業職が合うとしたら①成績さえよければ比較的自由
営業職について営業成績が良いというのは最大の自分の評価を上げる方法です。
繊細さを持ち合わせていたとしても誰よりも商品を売っていれば、誰も文句は言わないでしょう。
そして例えば月末の数日前には月間での個人の売り上げ目標を達成していれば比較的そのあと時間の過ごし方は自由で営業以外の仕事と比べても楽かもしれません。
HSPに営業職が合うとしたら②顧客の評価が高くなる場合も
HSPは他人軸で物事を考える癖がある為、サービスを受ける側からしてみると大変感謝したくなる存在です。
困っていれば助けてくれて、自分の為に一生懸命になってくれるのであれば誰しも心象が悪くなることはないからです。
そういった面では営業という最前線で会社の顔として働いてもらには良い存在なのかもしれません。
HSPに営業職が合うとしたら③感謝される
営業は事務職などと比べて顧客と接している時間が長く、関係性も重要になってきます。
仕事をする中で「ありがとう」と言ってもらえることも一番あるポジションと言えるかもしれません。
こういった感謝の言葉はHSPにとってモチベーションに繋がる為、嬉しい出来事と言えるでしょう。
HSPに営業職を勧めない理由(体験談付き)まとめ
ここまでHSPに営業職を勧めない理由を自分の体験談付きで話してきました。
私自身は新卒で営業職に就いてから「全く合ってない」と感じたため、それ以来営業職には就くのを止めました。
ただ世の中にはそれでも営業が苦手な自分を克服しようと毎日頑張っておられる方もいらっしゃると思います。
実際その努力は素晴らしいものですが、自分がやっていて苦しいことを延々やり続けることは当然ながら精神衛生上よくありません。
自分に合った適職を見つけるとびっくりするくらい穏やかな日々を過ごせることがありますので、このページを見て頂いているHSPにもそういった職に就いてもらいたいと願っております。
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