HSP(ハイリーセンシティブパーソン)にとって情報過多に陥ることは頭をパンクさせ、物事の判断を鈍らせます。
また必要以上に人間関係を広げ過ぎてしまった結果、一気にその関係を切りたい衝動に駆られるケースがあります。
HSP(Highly Sensitive Person)ハイリー・センシティブ・パーソンとは
HSPとは1996年アメリカの心理学者のエレイン・N・アーロンにより提唱されたHighly sensitive personの略で高い感覚処理感受性を有する人、または気質のことを指します。
HSPの特徴
- 一つのことを深く考えるのが好き
- 共感しやすい
- 感受性が豊か
- 人にやさしくできる
- 大きな音や光の刺激が苦手
- 人混みが苦手
- 気を読み過ぎて疲れる
- 近くで誰かが怒られていると自分が怒られている様な気分になる
- 忘れたい過去が繰り返し蘇る
- 他人に何か指摘されると中々そのことが頭から離れない
- 周りが自分をどう思っているか強く気になり不安になる
人間関係リセット症候群とは?
「人間関係リセット症候群 」を初めて聞くHSPの方も多いかと思いますが、その名の通りいままで築いてきた人間関係をまったくの0にしてしまう行動やマインドのことを指します。
具体的には下記の様な現象になります。
どうせ「見捨てられる感」を抱いている
たくさんの人と出会って交流をしていてもどこか心の中に「どうせ仲良くなっても自分の周りからいなくなるんでしょ」という根拠のない諦め感を抱いて人とコミュニケーションを取っている。
長所と短所の区別をはっきりしすぎてしまう
人が人と生きていく上で相手の長所や短所があることを理解して調和を目指すというのがよくあるパターンだと思います。
しかしこの 「人間関係リセット症候群 」では、「この人は短所があるけど長所もある」といった考え方が上手くできず短所ばかりに目がいってその人間関係を切るという決断に至るのです。
自己肯定感が低く他人にも失望している
この 「人間関係リセット症候群 」 にかかる人は過去に裏切られて他人に失望していたり、また自己肯定感が低い傾向があります。
どんなに良い人間関係でも自分が相手のことを考えている程、相手は自分のことを考えてくれていないと失望して短絡的に人間関係をすぐに切ってしまいます。
人間関係をはっきりさせたい
「人間関係リセット症候群 」 傾向にある方は「仲が良い人」「仲が悪い人」について明確に区別していきたいという気持ちを持っています。
ですので、仲が悪い人とは付き合いたくないという切り分けをすぐにできるのですが、曖昧な人間関係についても「どうせ話さないなら私に必要ない」と切ってしまうので人間関係の幅がより狭まっていきます。
人間関係リセット症候群のHSPにありがちな行動とは
HSPが 「人間関係リセット症候群」 気味の時に取る具体的な行動例は下記の通りです。
中には繊細な自分を守る為に行っている行動があり一概に批判的な目で一括りにしてしまうのはよくありません。
- 電話帳に必要最低限の連絡先を残して整理する
- SNSは全てアカウント削除
- 気が合わないと感じた人を避ける
- 行きたくないイベント毎にはいかない
HSPにとっての人間関係リセット症候群 メリット
- 新しい出会いに向けて活動的になれる
- 不要な連絡を受ける必要が無くなる
- 好きな人だけに時間が使える
- HSPにとって必要な一人時間を確保できる
- スマートフォンの電話帳がスッキリして利便性が上がる
HSPにとっての人間関係リセット症候群 デメリット
- 自分と合わない人までいい顔をしなければならない
- 普段連絡が来ない人の相手をしなければならない
- 仲があまり良くない人に対して時間を使わなければならない
- スマートフォンの電話帳が使いづらい
- 自分のペースで生活できない
HSPにとって職場でも人間関係リセット症候群が出てしまうと
これはHSPあるあるではあるのですが、人間関係にストレスを抱えて転職回数が増えるというものです。
恐らくこの人間関係リセット症候群が関係するところとして、やはり合わないと感じたことに対してその負の感情を引きずってしまい良好な人間関係を再度構築できないことが挙げられると思います。
- 周囲の人があまり気付かないことにも気づいてしまう。
- 電話の音や誰かが怒られている声なども自分に向けられると感じてしまう。
- 危機察知能力に優れている為、石橋を叩いて渡る様に仕事を進めたいが実際はスピード感を求められてしまう。
人間関係リセット症候群はHSPにとって必要なのか 体験談
実際に人間関係リセット症候群に陥ってしまったAさん(30代)のお話です。
幼少期から自分の繊細さを感じながらも、人に優しくできるため周囲からの人望を厚く何かとチームのリーダーにも推薦されることも多かったAさん。実際にたくさんの友人ができてFacebook上での友達も400人以上居たそうです。
仕事にプライベートに充実していたそんな毎日の中で、何とも言えない閉塞感を感じて「リセットしたい」と強く思う様になっていたそうです。
そしてAさんは会社に辞表を提出して、スマートフォンに入っていた電話帳もリセット、SNSも削除して知り合いがいない田舎へ移住しました。
しかしそんなAさんは人間関係をリセットしたあとに大学時代の親友2人以外から誰からも連絡が来なくなったりと「結局自分にとって築いてきた人間関係は何だったのか?」「今の方が充実している」と感じる毎日を過ごされている様です。
人間関係リセット症候群はHSPにとって必要なのか
これはあくまでHSS型HSPである筆者の個人的な意見となりますが、人間関係をリセットする行動はHSPに必要と考えています。
現代の生活においてSNSなどを使って人の交友関係は、居住地関係なく幅広くそして年代関係なく築くことができる時代になっています。
そのことを考えると連作先を交換しても結局それ以来連絡をしなかったり、連絡が来たと思ったら怪しいビジネスだったり人が多い飲み会への参加依頼だったりとHSPにとって刺激にしかならないことが多いかと思います。
またこちらから連絡をしないのにも関わらず連絡先を保存しておくことは個人情報を管理する面でも良い方法とは言えないでしょう。
実際、連絡先を削除したところで普段から連絡を取り合っていない訳ですからHSP本人にとっても特に不便な点は発生しないと思われます。そして自分と合わないと感じている人と連絡を取り合わないことは精神衛生上プラスとしか言えないことでしょう。
人間関係リセット症候群はHSPにとって必要なのか まとめ
ここまで「人間関係リセット症候群」はHSPにとっては必要なのかお話をしてきました。
必要以上の人間関係を削除してしまうことは、人が人らしい生活をすることを止めることにもつながる為おススメしません。
しかし自分にとって必要ないと感じる人間関係を続けるほど無駄な時間はないのではないでしょうか?
そういった時間をあなたの人生から省くことで、あなたにとって本当に必要な人に対して使う時間に充ててみませんか?